視察:Exploring – 共通するものからみつける芸術のかけら

Exploring – 共通するものからみつける芸術のかけら
日頃から障がいのある方の表現活動に直接的、間接的に関わっている現代美術作家の、自身の作品と「共通するもの」をテーマに、障がいのある作家・作品を推薦する形式で構成するグループ展です。

引用サイト:http://www.enokojima-art.jp/exploring2019

 

障がい者 × アーティスト
障がい者と現代美術家の組み合わせは有意義で、障がいと関連してアート活動を提供する場所では、製品化・グッズ展開と合わせて当然のように展開されているように思っていました。

展示の仕方やバランス、製品化にアーティストが入ることで視点に新たなおもしろ味や新鮮さ、技術と共にアッと言わせる仕掛けが加わるはずです。ところが、この展示の売り文句は私が思うことと逆でした。

『障がいのある方のアート活動や作品に社会的注目が高まっています。しかしその多くは福祉業界内にとどまり、美術専門家との接点は乏しいのが現状で、芸術的観点からの理解や研究、評価が行われる環境は未発達な状況です・・・』

 

一緒に発見し、共有する
啓蒙の一助でしょうか? 作品を目の前に、見て、考え、話し、他者の言葉を聞いて再び見るというコミュニケーションから、理解を深めるワークショップ「対話鑑賞プログラム」が興味深かったのですが、日程の都合で参加できず。今回常設展示の方からその本質を探れないかと考えました。

“障がいの有無を超えて、表現者同士という対等なフィールドに立ち、作品同士を照らし合わせることで見えてくるもの” “そして障がいのある作家、作品を推薦する形で、自身と共通するもの、キーとなる要素や言葉を丁寧に拾い上げ、作品の魅力や作家の芸術性にアプローチすることを試みたい”――作品展示のコンセプトです。

 

→ではなく、↔のやりとり
場内では、ペアになって、刺激し合った作品が近しく並べられ、美術家側が言葉を添えていました。双方の出会いや関りはまちまちですが特に印象的だったのは、養護学校の生徒と先生として出逢った倉地雅徳さんと、五十嵐英之さんとの作品のやりとりです。

教員である五十嵐さん自身が脳科学に基づいた描画の研究をしている、とのこと。そのせいか関わりを3つの手法として紹介し、対等でありのままの理解でやりとりを重ねていくさまが丹念で愛しいコラボレーションそのものだと感じました。とても興味深い展示でした。敬意を抱く、また刺激を受けて展開させていくことが一方的ではない、と観る側にも伝わることはとても大事なことなのではないかと思いました。

同時に、造形での表現だけでなく、そのことばの持つちからというものも駆使せざるを得ない(駆使できると思われている)アーティスト、というものの責任に想いを馳せました。

とても一方的に刺激を受けたのだろうと思われるペアの作品も印象的でした。このような方たちがどのように忖度されペアとなり、どのような経緯で展示に至ったのかが興味深く、受付の方に聞いてみましたが、残念ながら詳細はご存知ないようでした。

 

江之子島の在りよう
立派な広報記録誌からenoco 江之子島文化芸術創造センターの経緯を読み、この場所が大切な発信塔であることを知りました。ちょうど時季的なものなのか、芸術やフェスのような催しの広報も多く見られました。

発掘して育てていこうとする土壌があること、地下鉄に置かれる各種フリーペーパーもおしゃれで、その需要と土地柄、認識の高さを感じる視察となりました。

 

視察:常清 美雪

編集:津波古 祥太

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