視察:NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)

NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)のコンセプト

こ え ● 表現と実践
表現とは、意志による能動精神の活動であり、情報にあふれる現代社会において、人間存在の意味を知るきっかけとなります。そして、その実践は人間が現実へ飛び込むことができるよう勇気と責任を獲得するものとなります。わたしたちはこの経験を自ら行ない、またその環境づくりにつとめます。

ことば ● 伝達と探求
ことばは光りです。存在に対する広くて深い認識の経験をもつことばによって、有効に伝達されていきます。現代において、コミュニケーション・対話の重要性は言われていますが、何に重点をおくかを考えるとき、現実生活のなかでの意識の領域を拡大して用いることばへの探求が重要であると考えます。ことばによって確認され、行為にひきつがれてゆくことに注力して、わたしたちは活動します。

こころ ● 自立と自律
変遷する時代の推移とともに、「表現」とはもっとも根源的に「生」にかかわる任務であると考えます。これらのいきいきとした活動を通して、思考を深め自身の人生に対する態度として、自立・自律を確立していきます。未来にむかって展開させていくための自立・自律を、わたしたちは活動の軸とします。

引用サイト:http://cocoroom.org/

 

NPO法人コーナスの見学調整の際、コーナスの理事長 白岩さんから強く勧められたことから知った、同じ大阪にあるNPO法人です。

詩人で理事長である上田さんの“誰もがあたりまえに表現をしながら生きる場所”を開き続けている理念に強く関心を持ち、喫茶店のふりをし、併設されたゲストハウスを利用させて頂きました。

またその地区、地域で発生させているワークショップにも参加させて頂き、日雇い労働者、ホームレス、アルコール依存、福祉、日中の過ごし方、高齢者(高齢化)、排除、隔離対応にて目に見えにくい精神医療と重なることがらにおける活動と法人の在り方をじゅうぶんに考える機会となりました。

 

10 / 5 「みんなでごはんを食べよう」18時~
参加メンバーは、ココルームの宿泊者、いちげんさん、スタッフ、元スタッフ、理事長の上田さん。文字通り、ココルームに集まったメンバーでご飯を食べます。みんなで食卓を囲む、というのがココルームさんのスタイルです。

そこで「寄せ場」「ドヤ」「西成」「あいりん」「釜ヶ崎」について知らなかったことを教えてもらい、さらにココルームの活動――〝かまげい(釜ヶ崎芸術大学)”について、最新プロジェクトの一つ「井戸堀り」について、たまたまいらしていた他県で保護観察官をしているお客さんを通じた情報交換、共有を行いました。そのあとは上田さんに案内してもらい、釜ヶ崎の街歩き(猫塚、遊郭壁跡、路上寝、まちなか美術館など)

 

カフェの庭に井戸?
キーワードがあまりにありすぎ、関わる人たちが多すぎるココをよくわからないまま実感したい。おっちゃんらが集い、手伝ってでき、それぞれのコンセプトがあるゲストハウスに泊まってみて、感じるものはなにか知りたいと思った、それが今回ココルームを訪れた理由です。

車椅子の方、ふらり立ち寄った風な方、話し込んでいるヌシっぽい方、外国籍らしき方、年齢、風貌、性別問わず、日常でありながら喫茶店のふりをした『旅先』な一期一会の場、そのものでした。

目線の先には小さなお庭。そして一週間前に出来上がったばかりの井戸がありました。

クラウドファンディングで集めた資金にて、“ココルームの庭で井戸を掘る”プロジェクトが進められてきた経緯を読みながら、その土地の、変わるものと変わらないものの中で水脈を生き返らせることに、意味があったのだろうと推測しつつ。

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「東日本震災から8年がすぎ、エネルギーや非常時へのおもいも、日常のなかでは薄くなっているような気がします。そんないまだから、生存をささえる水を素人の手で汲んでみたいとおもいます」――上田さんの言葉です。

※ココルームのホームページより引用

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和装の麗人
しなやかなお着物帽子がトレードマークと思われる、代表 上田さんはうふふと笑う詩人なのです。経理が苦手?らしき話を耳端でうかがいつつ、気負いなく、もしかしたら気負いないふりで17年もこの日常を生活してこられたことに衝撃を受けました。

手づくり大皿料理のごはんがほんとうにおいしく。こうやって大皿をつつく、みんなで食べる意義はとてつもなく大きいと感じました。食べること。生きること。分けること。誰かがいること。通り沿いのゲストハウスは、すぐ隣も飲み屋。まるで自分に話しかけられているのかと思うほど通行人の声が大きく聞こえました。酔っぱらいですら労い合っているように聞こえる、誰かの声。「うるさかったら遠慮なく通報してくださいね」ということばで上田さんの立ち位置を推測しながら、おすすめいただいた夜の銭湯へ向かい、初日の夜が更けていきました。

 

10 / 6 「ことばときぼうと合作俳句」ワークショップ14時~
参加メンバーは西川勝さん(哲学)、高木智志さん(人生俳句)、上田さん(詩人)、ほか十数名。車椅子の方と文字盤を使うその介助者と上田さんと街歩き。ついた三徳寮は、ものものしいコンクリートの建物でそれでいて友好的。守衛さんが水が出ないことを妙に恐縮されながら丁寧に説明していたのが印象的でした。

男性ばかり、輪になった椅子で挨拶をかわし、合作俳句の趣旨が語られます。みんなが呼んでほしい名前での自己紹介をし、みんなで呼び返事する、という匿名性と所属感を守る場で、会がはじまりました。合作俳句の良さはプロがいないことだと説明されて、すこし気持ちがなごみつつ。一句を3つのブロックに分け、書いていくカードを毎回集め、配りなおし、つなげていきます。読めない方がいるのがあたりまえの前提で、漢字は使わないというのがポイント。

一緒に行った車椅子の方が、実は人生俳句の先生で、文字盤を使ってみんなの作品を講評されていました。そしてワークショップは終了。上田さんが書かれた本はことばひとつひとつが雄弁で背景大きく、吐息ため息で読み進められないまま、朝方までぼぞぼそ語りにお付き合いいただいた方も印象的で。2泊3日の濃ゆ~い“かまげい”超短期留学。新たな発見と驚きの連続となる旅路……でした。

 

視察:常清 美雪

編集:津波古 祥太

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