視察:ボーダレス・アートミュージアム NO-MA 其の壱

ボーダレス・アートミュージアム NO-MAのコンセプト

このミュージアムの特徴は、障害のある人の表現活動の紹介に核を置くことだけに留まらず、一般のアーティストの作品と共に並列して見せることで「人の持つ普遍的な表現の力」を感じていただくところにあります。このことで、「障害者と健常者」をはじめ、様々なボーダー(境界)を超えていくという実践を試みています。

引用サイト:https://www.no-ma.jp/

 

滋賀県内の福祉施設で長年取り組まれてきた障がい者の造形活動が広がり、発展していく中で、「そこで生まれる作品を常設展示できる施設を」との声があがり、2004年に近江八幡市の伝統建造物群保存地区内にある、築80年の町屋「野間邸」を改築して作られたのが「ボーダレス・アートギャラリー NO-MA」です。社会福祉法人グロー(GROW)が運営しています。

2007年に、滋賀県教育委員会から博物館相当施設の指定を受け、「ボーダレス・アートミュージアム NO-MA」に改称されました。NO-MAという名前は、物件の大家さんの「野間」からきています。ボーダレスという言葉は、「社会と文化の考査」「アートとまちづくりの協働」「障害の有無」という境目を超えた魅力ある場所を目指すことから名付けられました。NO-MAでは、展示だけでなく様々なアートに触れる機会を作るためのワークショップ等も企画運営されています。

 

古き良き日本の原風景の中に
施設は、古い町並みが残る通りに普通の民家のような雰囲気で佇んでいます。木造建築の建物は、土足禁止のため靴を脱いであがります。板張りの床で、室内はやや薄暗い照明。一階、中庭(蔵)、二階が展示スペースになっています。古い町屋のため、入り口や中庭に段差はありますが、館内はエレベーター設置などバリアフリーの対応がなされています。観覧料はその都度、展示の主催者が決めています。

 

境目のない表現
視察時は「忘れようとしても思い出せない」というタイトルの展示が行われていました。一階には聾の障がいの方の作品や施設で創作活動をされている方の作品が展示され、中庭と蔵では浅草で40年間、人を撮り続けているプロの写真家の作品が展示されていました。二階には、高次脳機能障がいの方の作品とおうみプロによる懐かしい昭和の映像の上映作品があり、障がいのある方の作品と健常者(プロ)の作品が同じ空間で違和感なく展示されていました。

この施設が掲げる、福祉とアートが地続きになった「ボーダレス」な展示を堪能させていただきました。

 

視察:吉原 幸

編集:津波古 祥太

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