【サンクバーナ】

2019年、大晦日の日に。

伊是名島のグループホーム「サンクバーナ」へ行ってまいりました。

港から車で数分。少し上った小高いところにある諸見(しょみ、と読みます。もろみじゃないですよ!)
という地区に建物はありました。

意外と大きくて年季が入った外観。
サンクバーナの管理者の金城さんによれば、
もともと島内で水利事業を行っていた建設会社の事務所をリノベーションして使用されているそうです。

ホームページでは定員4名とありましたが、サンクバーナの中には個室が全部で9部屋あり、
体験宿泊の方のためのお部屋も用意されていました。
他にも卓球台の置かれた多目的ホールのようなお部屋もあって、外から見た印象よりも中は広く感じました。

利用者さんはほとんど帰省されていて、1人残っていたのはAさん。
最初、出入口が分からずうろうろしていた私に声をかけてくださり、出入口を教えて頂きました。

金城さんに事務所の中に案内して頂き、施設の活動についてお話をうかがいました。
サンクバーナはグループホームですが、名護市にあるB型の就労支援事業所ワークサポートひびきと連携して、
島内で施設外就労を行っています。

人手不足に悩む伊是名村の漁協から逆営業をかけられる形で、
伊是名の特産品であるモズクやアーサ作りを手伝っています。

漁協には、サンクバーナの利用者さんの他に、外国人実習生の方たちも働かれているそうです。
漁協で働く人のおよそ半分が外国人の方!
予想だにしなかったダイバーシティ(多様性)が伊是名島にはありました。

漁協の仕事は、モズクの中に入った小さな異物の除去や、
漁業で使ったカゴや発泡スチロールの洗浄、商品のラベルはりと多岐にわたっています。

最初からすべて任されていたわけではなく、利用者さんが実際に働き、
実績を作っていく中で徐々に仕事が増えていきました。

漁協にあるハウス内での作業で、夏は暑く、冬は寒い環境。
なかなか体力的にハードそうですが、そこは帯同する支援員(名護から派遣されたひびきの職員)さんが、
利用者さんの状況を見て、うまい具合に比較的楽な仕事、きつい仕事を振り分けるそうです。

利用者さんの中で、精神科の方は一名おられるとのこと。
精神科については問い合わせはありますが、
なかなかその先には進まず、というのが現状のようです。

利用者さんは地域の活動(清掃や行事)にも積極的に参加されているそうで、
最近では金城さんよりも利用者さんのほうが顔を知られていて、
島民の方から声をかけられることが多いそうです。

伊是名島は人口1400人ほどの小さな島です。
車ならゆっくり走っても一周一時間もかかりませんでした。
住民の方たちの結びつきは強く、よくも悪くも情報はすぐに伝わります。

私が島の旅館に泊まった際に、従業員の方から、
夜食を買うならどこそこのスーパーで買ったほうがいいとアドバイスされ、
車で行ってみました。

この間、30分くらいです。スーパーに入ると、店員の方から「聞いているよ」と話され、
電話があったことを伝えられるエピソードがありました。島人ネットワークはハンパではありません。

金城さんによれば、その情報網を逆手にとって、島の方に利用者さんの特徴などを伝え、
予想されるトラブルを未然に防いでいるとのこと。
何かトラブルがあっても、島民の方から「私たちが教育してあげる」と
笑顔で言われることもあるそうです。
地域とのつながりの大切さが分かるエピソードでした。

ここで話は少しそれますが、伊是名島に来て、
個人的に不思議に思っていたことが1つありました。

それは島に点在する公衆トイレ。
どこのトイレに入ってもキレイなのです。
掃除が行き届いていました。

この謎の答えは、金城さんに教えて頂きました。
今回日程の都合で見学することがかなわなかった島の作業所すまいるさん、
その利用者さんが島内の公衆トイレの清掃活動を行っていることを教えてもらいました。

だから、どこに入っても掃除したての洗剤の匂いがしていたのかと納得できました。
サンクバーナさん、すまいるさん、それぞれが利用者さんに合わせた活動を行っていることを知りました。

ただ最近すまいるの利用者さんは高齢化し、
以前と同じ活動を続けることが難しくなってきているそうです。

家族も高齢化し、世話をすることが体力的に厳しくなって、
結果本島の施設へ移られる方もいるそうです。
離島故、資源の少なさ故に起こる課題と思われました。

最後に。年末の忙しい時期に、突然の施設見学の申し出を快く受け入れてくださり、
サンクバーナの利用者Aさん、ならびに金城さん、本当にありがとうございました。

文責)津波古祥太

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